屋上からカートを落とした動機について

2021年11月26日(金)、大阪・住之江区のドン・キホーテ屋上から、中学2年女子たちが買い物用カートを落とすという事件があった。

動機の供述として「遊び半分でやった」と話しており、これからは頭の上も注意して歩かねばならない時代なのかと辟易してしまう。

が、本当に注意すべきなのは頭の上ではなく、このような子供たちが世の中に潜在的に多いと知ることではないだろうか?

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屋上からカートを落とした中2女子の動機

もし、ドンキの屋上(地上約22メートル)から、買い物用カート(約8kg)が落ちてきたら…。

少し想像しただけでもゾットする話だが、大阪市住之江区のドン・キホーテで実際にこのような事件が起きてしまった。

カートを落としたのは中学2年生の女子3人で、店内に入ろうとした53歳の男性を狙って落としたとのこと。カートは男性のすぐ側で落下。男性からの通報により、そのうちの14歳の子1人は殺人未遂容疑で逮捕され、一緒に居た13歳の子2人は児童相談所に通告されるとのこと。動機は「遊び半分」だそうで、なんとその様子を動画に撮っていたのだという。

一応、当たれば人が死ぬということはわかっていて、運悪く標的とされた男性にも当たらなかったので良かったが、無差別的な犯行である分、聞いてるだけで背筋が凍る話だ。

絶対あってはならないことだが、男性が無事だったことが不幸中の幸いだと言えるだろう。

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罪悪のリミッターはなぜ外れたのか?

さて、彼女たちの見てる世界、頭の中がどんなものかが気になる。

というのも、地上22メートルの屋上からカートを落とすなんてことは、遊び半分でやろうとしても躊躇するのが普通の感覚だからだ。

それに普通、商業施設の屋上は立入禁止になっていることが多く、ドン・キホーテの客層を考えると屋上が開放されているとは思えない。

となると、心理的にまずそこで罪悪感を感じる。

友達がいるなら尚更で、そこを我が物顔で屋上に立ち入り、カートを落とすという蛮行に走るのは罪悪のリミッターがかなり狂っていないとできないからだ。

 

なんにせよ、彼女たちの罪悪のリミッターが外れてしまった『何か』があったのではないか?

そう考えてしまうわけだが、もちろん何があろうと犯罪は犯罪。許されることではない。ただ、安全な社会を作っていくためには、その『何か』を考えることは大事だと思う。

たとえば、彼女たちがそういう常識を教わらないくらい家庭環境がひどかった、とか。

家庭環境に問題があるなら、一般モラルが暴力的な漫画やアニメ等から影響を受けているということも考えられる。ドン・キホーテの屋上からカートを落とすなんて、まるで漫画に出てくるような話だからだ。中二病という言葉があるように、創作の世界に自己投影し過ぎて現実との区別がわからなかった、そんな可能性も普通に考えられる。

 

他にも何か、過激なYouTube動画などから影響を受けてしまっていたとか。

彼女らの中には屋上からカートを落とす様を動画で撮っていたと報じられていたので、YouTubeやTik tok辺りでその動画を共有しようと思っていたのかもしれない。迷惑系YouTuberみたいなものが生まれる時代なので、そういった過激な動画で自己顕示欲を埋めようとしていたところはないか。等々。

 

犯罪(といってもピンキリだが)に走る未成年の中には、強いフラストレーションを抱えているケースも多いという。だからこそ動機というものが重要なのだと思うが、できる範囲でその動機のタネとなるもの排除していかないと、またどこかで似たようなことが起きてしまう。

彼女たちの社会生活の背景にどういったものがあったのか、そこははっきりと明らかにしてもらいたい。

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このような事件を起こさないために

このドンキ屋上からカートが落ちるニュースを一通り見てみたが、世間の声はやはりかなり厳しいものがあった。

若気の至りとしては、非常識かつ一線を越えてしまっているので、それはある意味仕方がないことだろう。それに「もし自分が被害者だったら…」と考えると、今回のような蛮行を許すまじという感情が働くのは致し方ない。

ドン・キホーテからしてもいい迷惑だろう。どこをどう切り取っても批判しか出てこない。

 

しかし、あまり厳しい意見ばかりでは、更生の道も困難な方向に進んでしまう。

ここは意見の分かれるところだろうが、それは承知の上だ。

ルールを破った人間が、世間の厳しい批判という茨の道を歩くことは当然の報いであると考えること自体は、別に普通のことだと思ってる。

実際、被害に遭いかけた人のことを考えればバッシングされて然るべきだが、々大人が厳しい目を向けすぎると、この世の中は益々ストレス社会になっていく。

 

ただ、失敗を重ねて成長するというのが人間でもある。

もちろん今回のケースは「失敗」というには度を超えているし、だから当然警察のご厄介にもなるわけだけども、我々大人も未成年が更生する道を信じて見守る気持ちだけは持っておきたい。

そして、こんなことになってしまったからこそ、問題を起こした子たちの親御さんは、そんな彼女たちの絶対的な味方でいてあげてほしいと願う。

追記(2021年12月15日)

殺人未遂容疑で逮捕された府内の中学2年の女子生徒(14)について、地検は暴行、器物損壊の非行事実で家裁に送致した。13日付。適用罪を殺人未遂から暴行に切り替えた理由は「証拠の内容を評価した」としている。

出典:読売新聞オンライン

12月3日にも、奈良県橿原市のデパートの屋上からコンクリートブロックを落とした男(35)が警察に捕まったというニュースがあった。

私生活のストレスからむしゃくしゃしてやったと供述しているようだが、年齢を考えるとこちらはまったく擁護できない。

しかしながら、人は過度のストレスにより他者攻撃へと走ることもあるということは頭に入れておきたい。

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