2021年大晦日。RIZIN33でYouTuber・シバターと元K-1王者久保優太の試合が行われ、シバターが勝利するという大盛りあがりの一幕があった。
僕も嫁の実家で年越しそばを食べながら義弟たちとその試合を観て、「やはり体重差というのはでかいんだな…」みたいな話をしていた。
しかし年が明けるとその試合に八百長疑惑があって、ネットでは結構話題になっていた。
ほーん。
要するに久保優太がシバターの口車に乗せられたということなのだが、話の流れはこの1ページにまとめられる。
出典:賭博黙示録カイジ
で、色々と調べてみた結果、真相が見えてきたので詳しく解説していこうと思う。
目次
シバターと久保優太の試合【RIZIN33】
2021年の大晦日。今年は特に観たい番組がなく、いつもよりザッピングの多かったため、たまたまRIZIN33『シバターVS久保優太』の試合を観ていた。
プロレス経験があるとはいえ、現役の格闘家ではないYouTuber・シバター(36)が、元K-1王者で現役格闘家・久保優太(34)とどんな試合になるかは、今回のRIZINの話題となっていた。
- 判定無し
- KO、1本のみで決着
- 3分2ラウンド
という体重差ありの特別ルールだったが、結果は1ラウンド2分16秒でシバターの勝利。
最後はシバターの飛びつき腕ひしぎ逆十字固めが、久保優太の腕を完全に捉えた華麗なる一本勝ちだった。
で。
実はその後でとあるLINEがツイッター上で流出し、シバターから久保優太に八百長の持ちかけがあったというリークがあり、翌日は炎上騒ぎとなっていた。
シバターと久保優太が八百長疑惑で炎上
ことの発端はあるひとつのツイッターからのリークだ。
出典:Twitter(https://twitter.com/ryuasekaki/status/1477140489233399810)
こちらはは久保優太の妻の弟からのリークだ。
要するに久保サイドの関係者がシバターが約束を破ったことに腹を立て、試合前日の二人のLINEのやり取りを流出させたことが今回の八百長疑惑に繋がっているのだ。
パッと見た印象だが、久保優太が詐欺に遭う前の人みたいで心配になる。格闘家として自分の方が上だとにじみ出ているところも、確実に試合での油断につながってたことは明らかだろう。
この件に関して、久保優太からはこんなツイートが。
嘘をつく人生は嫌だな。
正直者が馬鹿を見るのか。騙されるより騙される方がいいのか。自分は真面目に誠実に紳士に生きたい。
色々疲れた。
事の経緯とかも全部きちんと話したい。— 闘う投資家 久保優太 (@K1_Kubo_Yuta) January 1, 2022
さらにシバターは自身のYouTubeで次のようなアンサーをしている。
- 八百長はしてない
- LINEはまったく身に覚えがない
- 誰かの捏造だ
- 仮にLINEの通りだったとしても、プロ格闘家ならそれに乗るべきではない
- 何があってもプロなんだから負けたら言い訳できないのでは?
まぁ、自分はやらせの打診はしておりません、ということだ。
たしかに勝敗までは決めてないのでやらせや八百長には該当しないのかもしれない。
というのも、この動画では「情報戦の有用性」についてやたらと肯定しているので、シバターにとっては情報戦の範疇だったと考えているのだろう。
じゃあ、あのLINEは何?ってことになるんだが、おそらくあのLINEは本物で、内容をよく見ればあれはやらせの打診ではないということが事の真相ではないかと思う。
どう転んでもシバターの勝ち
急激に市民権を得てきたYouTuberだが、そこで成功している人の中にはきちんとマーケティングを取り入れ、それを生業にしていることが多い。
簡単にいうと、きちんと心理学に基づいたマーケティングをして、それをお金に変えているというわけだ。
YouTuberの全てが全てそうではないが、トップYouTuberはきちんとその辺りのことを押さえているのは間違いないだろう。
特にYouTubeはテレビと違って企業コンプライアンスの縛りが緩いので、夜討ち朝駆けなんでもありの世界となっている。
炎上しようが、それが数字として反映されれば“勝ち”なのだ。
さてシバターの疑惑についての動画だが、これがやっぱりきな臭いというか、わざとそういう内容にしているところが興味深い。
八百長はしてないと言うが、LINEは「身に覚えがない」と言っている。
「身に覚えがない」というのは覚えてないという意味だし、語気を強めて否定しつつも最後は「LINEの乗っ取りなのか、捏造なのか…?」とトボけた感じの言い方をしている。
でも、やってなければやってないと言えばいいし、実際にスマホを取り出してLINEのやり取りを見せればいいのに、そこは(敢えて?)微妙に茶を濁した表現をしているのだ。
そして結局、シバターは「結局、プロの格闘家なんだから、どんな話をもちかけられたとしても断らなきゃダメでしょ」という正論中の正論でもって、視聴者を納得させている。
以前、朝倉未来とYouTube上で試合をした時も、シバターは朝倉未来の試合前に似たようなやらせの持ちかけをしている。
朝倉未来はその持ちかけに乗った振りをして、最終的にシバターを右フックで沈めるという流れなのだが、それが2400万回再生を超える人気動画となった。
結果的に朝倉未来が勝ち、その舞台裏に八百長の持ちかけがあったことがバラされているが、実際、シバターのブランディングは何も崩れてない。
なぜなら、シバターは『ダーティーでありながらどこか滑稽』というブランディングでYouTuberとして活動しているから、勝とうが負けようがシバターにとっては“勝ち”しかないのだ。
そこを理解しておくと、今回の騒動が今後茶番劇へシフトしていくことがわかってくる。
やらせ疑惑は話題作りへ
まず、シバターにとっては、今回の件がLINEが本物であっても特に問題はない。
なぜなら、あれは誰かの捏造だとか(たとえばマネージャーが勝手にやっていたとか)言ったところで、ダーティーで滑稽なキャラが確立されているために痛くも痒くもないからだ。地位が下ることもなければ、スポンサーに嫌われることもない。RIZINから今後オファーがなくても勝ち逃げできて本人としても万々歳だろう。
それにあのLINEを見れば、悲しいことに久保優太もノリノリである。
なんというか、キャッキャしてる感が出ている。
『台本』という言葉を当たり前に使っているし、「シバターさんに合わせるんで」みたいなところは共犯者と言われても仕方がない。
それが「LINEの話と違う」と身内が感情的にリークし、久保を被害者としてシバターを叩こうと思ったけど、同時に墓穴も掘っていたということだ。
久保サイドとしては、これ以上LINEについて掘り下げられたくないし、ツイ消ししているところを見ると「やらかした」と思ったに違いない。5ちゃんねるの芸能+で業者の荒らしを見てもその辺りはおよそ推察できる。
要するに、シバターからすると「本気出さなかったお前が悪い」「プロなのに負けて言い訳はかっこ悪くないか?」だけで押し通せるわけだ。実際、動画においてしきりにそのことを主張しているし、この辺りの責任追及や論点のすり替えは本当にお見事だ。
あとはシバターから「お互いの名誉のためにこの件は不問にしましょう」と持ちかければ、久保優太にとっては渡りに船となって終いなのだ。
ちなみにLINEについては、当事者が訴えなければ真相が明らかにされないし、第三者の捏造ということにしておけばRIZIN運営にも迷惑がかからない。
それより、この問題を掘り下げたところで久保優太サイドも大ダメージを受けるだけだし、シバターはシバターでお茶を濁したところでプロレスに理解にある視聴者が多いので気にもしない。
であるならば、このやらせ疑惑はひとつの話題作りとして活かされるだけだ。
調べれば久保優太も投資系でネットビジネスをしているようなので、あとはうまく知名度アップへとつなげていけばWin-Winでということになるだろう。ツイッターの「自分は真面目に誠実に紳士に生きたい」というスタンスは、ビジネスの方で回収していけばいいわけだし。
まとめると、試合については久保優太の人の良さをうまく利用したシバターが一枚上手だっただけのことで、久保も久保で変なサービス精神で自分をよく見せようとしたのが愚かだったいうことだ。
久保がいくら被害者であることを訴えても、YouTuberのノリを勝手に持ち込んでRIZINに臨んだのがそもそもの間違いだったということになる。
久保優太のアスペルガーについて
ただ、久保自身がアスペルガーであることを告白していた過去もあるので、シバターがそれを知っていたかどうかでまた見方も変わってくる。
アスペルガー症候群は発達障がいの一つで、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障がい、こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障がいのうち、知能や言語の遅れがないものをいいます。
なんか僕の兄弟のじーけんさんに小物の下級戦士が喧嘩を売ってたと各方面から報告受けたんですが…
僕のアスペルガーの障害を誰よりも理解し味方でいてくれてサポートしてくれてる。
僕とは正反対の人間が出来ててマジで人望が厚いじーけん氏。
彼は常に正しい。僕が尊敬する人物。— 闘う投資家 久保優太 (@K1_Kubo_Yuta) June 14, 2020
なんかもう僕が死んだりでもしないとこの人は理解出来ないっぽい。
こんなにも人の気持ちを理解出来ない人って居るんですね。アスペとADHDのセットの僕でもこんな事くらい考えられるわ。 pic.twitter.com/bY4WmQEeUg— 闘う投資家 久保優太 (@K1_Kubo_Yuta) July 23, 2018
さらはアスペルガーでも自閉症でもなくて、(アスペルガー➕自閉症は久保ちゃん) 人前に出ると緊張しすぎて言語障害に陥るやつなの😏
アスペルガーはアインシュタインのような天才が持っていたと言われる才能だよ😳 サラにはそんな特殊能力ないない!!— サラ sarah (@sarah_168168) November 2, 2018
久保優太がアスペルガーであることは間違いなさそうだ。
シバターがそこまで知ってて心理戦を持ち込んでいたならさすがに嫌悪感を持つ人も多いだろうけど、そこは知ってても「知らない」と言い張るだろう。
しかし、久保のこの障害が何らかの影響があったことは考慮したいし、この事実がもう少し世間に知られれば大分見方が変わってくるかもしれない。
⇒発達障害持ちの久保優太を騙したシバターは許されないのでは?
ただこうなった以上、八百長疑惑についてはこの先、お互いの知名度を上げるための話題作りへとスライドされていくというのが、僕の予想だ。
つまり、いくら舌戦が繰り広げられたとしても、その裏には必ずどちらかの利益に繋がることが起きているという見方をしておくと、この話題に振り回されずに済む。
スポンサーやRIZIN運営はさすがに気になるだろうけど、シバターを起用した分はエキシビジョンであること強調すればいいだけなので、それほど大事にはならないだろう。
シバター&久保にとっても、この先はガチっぽい雰囲気を出しつつエンターテイメント化させて、本業やサイドビジネスの集客につなげていくしか落とし所は見出だせない。
久保は格闘技を世に広めるという大義を掲げ、嫁とのYouTubeに本腰を入れる。シバターは憎まれ役を買って出る。それでお互いが手を打つ。
あとは我々も、シバターと久保のプロレスをYouTube上で楽しむだけだ。
ということで、今回はシバターと久保優太の八百長疑惑について思うところを書いてみた。
余談だが、久保のツイートの「紳士に生きたい」は「真摯に生きたい」が正解。基本的なことなので今冬の受験生は注意しておこう。
(追記)シバターのシナリオ通りだが…
2022年1月2日、青汁王子こと三崎優太のYouTube生配信にて、久保優太が騒動の真相を答えるという一幕があった。
今回の配信で明らかになった真相はこうだ。
試合前のクリスマスの日、シバターから電話で「顔に障害があるかか顔にパンチを受けるとしびれる。だから顔への攻撃は止めて欲しい」とお願いされた(その際「妻や子供が心配するから」という泣き落としも入っていた)ので、久保優太が「そこは配慮する」と返答。
さらにシバターから「2Rのハイキックで自分が負ける」というブック(台本)を提案され、「ブックに乗らないんだったら試合に出ない」と脅し(?)をかけられる。
久保優太としては、今回のRIZINで別カードが流れた後でのシバターとの対戦だったので、今回も試合が流れるとRIZIN運営に申し訳ないなと考え、試合が行われることを優先してしまった。
そして試合前日に、あのLINEのやり取りが行われる。
- RIZIN運営はまったく関係していない
- この電話のやり取りは久保がこっそり録音している
- シバターから「疑うなら供託金や誓約書も用意する」という言葉もあった
なるほど…。
LINE上でなぜ久保優太が「台本」という言葉を使っていたのか、これで話の辻褄が合うし、シバターがアンサー動画でゴニョゴニョと論点をズラそうとしていたのも頷ける。
ただこの時に久保は、嫁・サラや関係者にはこんなやりとりがあったことを伝えていなかったので、久保優太が不自然な負け方をしたあとで事情を知り、感情的になってツイッターでのリークへつながってしまったのだ。
これが今回の八百長疑惑の真相となる。
青汁王子の問いかけに対し、久保優太は「過去の動画を観て(シバターが)油断ならないとは思っていたが、心理戦で完全に負けた」と語っている。
久保自身も『サラ久保ちゃんねる』の動画で謝罪&真相を説明している。
https://youtu.be/jH_49WZ9ZPc
とにかく誠実に経緯を説明しているので、本人としてもやらかした感はあるのだろう。
でも、ひとつだけ動画の再生数より高評価の方が多いところが気になる。
動画を観た人全員が高評価を押すなんてある?
赤いラインのところをみると高評価100%以上。
僕は押してないし、5ちゃんの荒らしもあったし、なんかそこだけ引っかかる(巧妙な釣りなのだろうか?)。
そして数時間後にシバターのアンサー。
どんな言い訳が出るか楽しみにしていたら、いつものやつ。
久保の動画を待っていたようだ。
この男、なかなかの策略家である。
めちゃくちゃ煽ってきているが平常運転。
予定調和のごとくコラボの提案。
これは騙されたほうが悪いと思う視聴者も多いだろう。
シバターて人は、エンタイテイナーをやりきったのかと思いました。
なぜ、あんなに強いし、プロ相手に勝った人が自分を素人だと言い続けるのか、やっと理由がわかった。 自分はエンターテイメントとしてやり切るぞって意味でしたね
格闘家として出る気は最初からないといった意味の「素人」 https://t.co/mwEUEP7BVI— サラ sarah (@sarah_168168) January 4, 2022
いまのところシバターのシナリオ通りになっているが、久保優太の嫁さんが賢そうなのであとはお互いに落ち着くところに落ち着いていくだろう。
後はYouTube上で場外プロレスを楽しみたい人は楽しむという流れになる。
ただ、RIZIN運営からすると、今回の件を看過できないと判断する可能性もある。
そうなるとファイトマネーの返還だけでなく、ひょっとしたら損害賠償請求も考えられるわけだが、そうなってくるとシバターもこの調子ではいられない。
すでに冷や汗状態で立ち回っているのかもしれないが、ガチの格闘技ファンからするとやっぱ眉をひそめる話でもあるので、大本営がどう動くかで今後の展開はまた変わってきそうである。
RIZIN運営のアンサーについては『八百長問題|RIZIN榊原社長の回答が秀逸だった』から。
やらせや八百長については、RIZINは一切関わってないとのことだ。二人の処分についての見解などにも言及されているので、詳しくは上記リンク記事をチェックしてほしい。