ツイッターを見ていたら衝撃のデータが目に飛び込んできた。
ツイートのグラフは厚生労働省自殺対策推進室でまとめられたデータを基に作成されている。
グラフ画像の出典の記載、「令和2年版自殺対策白書」と書いていましたが、「令和3年版自殺対策白書」の間違いでした。データは2019年のものです。この表をグラフ化しただけです。https://t.co/aHikpq9cPEhttps://t.co/LlBYHAIWcd pic.twitter.com/GeJbi0T3SL
— すもも (@sumomodane) November 28, 2021
ツイ主であるすももさんも言っている通り、この未婚男性の自殺率についてはもっと社会問題として憂えるべきことだが、この件については僕もずっと気になっていたことだ。
というのも、今、「独身は自由だ」「結婚にメリットがない」という声をよく聞く。
もちろん、この多様性社会において、その意見は尊重せねばならない。それに男性の4人に1人が『生涯未婚』と言われている時代でもある。
しかし…、だけれどもだ。
人類はこれまで独身者が溢れる社会を経験してきていない。
故に、独身者がこの先高齢化した時にどのようなストレスを感じ、どのような耐性を持つのかなんて誰にもわからないのではないかと思うのだ。
このデータは、そんな不安を可視化してくれている。
未婚男性が抱えるリスクは自殺率だけにとどまらない
未婚男性が抱えるリスクとしてこんなデータもある。
捕捉:日本の未婚男性の幸福度の低さはワールドクラス(先進国で最も低い)です。 pic.twitter.com/2QmqMu5Syw
— すもも (@sumomodane) November 28, 2021
ネットではよく「独身が一番良い」という声も見かけるが、このデータを見るとそれは全員に当てはまるものではないことがわかる。
比較的若い20代と比べてみても、既婚者の方が幸福度が圧倒的に高い。
世界的に比べてみると、なんと未婚男性の幸福度は最下位となっている。
よくこのような話題を出すと、既婚者が独身者に向かってマウンティングを取っていると避難されてしまうのだが、決してそうではない。この憂えるべき現実を知っておかないと、後で悔やむのは誰なのかということをこのデータは表してくれている。
さらにツイ主であるすももさんは、新受刑者についてのデータも作成してくれている。
新受刑者に男性が多いのはわかるのだが、未婚・離別の新受刑者数が有配偶の倍数以上となっているところも興味深い。
離別というのは、要するに離婚のことを指すのだと思うが、この先独身者が増えることで新受刑者増へと繋がるという見方もできる。
未婚男性を悩ませる年収の壁
これらのデータを見てみると、一生独身でいいと思っている未婚男性は、家族というのは社会生活を営む上で欠かせないものだと改める良い機会かもしれない。
もちろん、年収の大小による差も大いに関係してくるだろう。
引用元:PRESIDENT Online 舞田敏彦氏作成のグラフより
今、結婚に対して夢を持てないという若者は少なくないが、その背景には経済力の有無が関係していると考えられる。
なんせデートしても割り勘がいいと希望する男が多い世の中だ。
とにかく「お金がないのに結婚したらもっと生活が大変になる」と考えてしまうのだろうが、そこで結婚しない派というスタンスを決め込んでしまえば、結局、未婚の独身者として別のリスクを抱えて生きていかなければならなくなる。まさに前門の虎、後門の狼である。
ただ男性の場合、家族がいたほうが幸福度は高いとなっているので、結婚の道は容易く諦めないほうがいいのではないだろうか。
しかし、この年収の壁をどうクリアするのか?
これが大きな問題ではあるのだけど、一つだけはっきりしていることは『国が何か対策をする前に自分たちが歳を取ってしまう』ということ。
要するにだ、自分の収入を景気に期待したり、政府に文句を言ったりしても意味がない。
現に『副業解禁』などと言って、収入の問題は自分の力でなんとかしてくださいよと暗にほのめかしているくらいだ。
だったら自分でなんとかするしかない。お金がなくても幸せになれるパートナーを探すのか、良いパートナーに出会うために年収の高い仕事を探すのか、それはわからないけれど、現状に甘んじるままの人生ではどうやら厳しいということは間違いなさそうだ。
生涯未婚は個人の自由だけど…
令和の時代において、必ずしも結婚しなければならないという風潮はすでにない。
ネットを見ていても、特に匿名掲示板などでは独身至上主義の意見をよく見かける。
ただ、ネットというのは未婚者や独身者の土俵であることは理解しておいた方がいい。今でこそ市民権を得たネット社会だが、未婚vs既婚という対立が生まれたとしても、例えば子供のいる既婚者などはずっとネットに張り付いているわけにはいかないので、どうしても独身者の声の方が大きくなるからだ。
しかし、そういうネットの風潮を真に受けて、楽な方、楽な方へと進んでいってしまうと後々悔やむ人も出てくるかもしれない。
今回のデータはそれを可視化してくれている。数字の羅列だけでは見逃してしまうが、このように綺麗なグラフでまとめてくれるとそれがひと目でわかる。このグラフを作ってくれたすももさんには本当に感謝したい。
もちろん、生涯未婚をつらぬくという男性がいても、それは個人の自由なので構わない。
しかし、ネットの「独身最高」という意見も、年を経る毎に最高でなくなることを想定しておかなければない。(そんなこと承知の上だと言われるとこちらも困るのだが…)
ガチの怖い話聞かされて、死を感じておる。 pic.twitter.com/klxseHd0ng
— はーる(群) (@haru_doru21) November 23, 2021
ただ、これから未婚をつらぬく人をいたずらに増えないようにと願う次第である。